保健師国試の福祉・障害・難病対策|難病法・障害福祉サービス・手帳・生活困窮の整理
保健師国家試験の福祉・障害・難病を、根拠法・対象・窓口で整理。難病法の医療費助成(自己負担2割)と小児慢性特定疾病の違い、障害福祉サービスの介護給付・訓練等給付・就労支援、3つの障害者手帳、自立支援医療、生活保護と生活困窮者自立支援制度を解説します。
このページでわかること
- 難病法(指定難病・医療費助成)と、小児慢性特定疾病の違い
- 障害者総合支援法のサービス(介護給付・訓練等給付・就労支援)の整理
- 障害者手帳(身体・療育・精神)と、自立支援医療の区別
- 生活困窮者自立支援制度、民生委員など、地域の福祉の仕組み
福祉・障害・難病は、「根拠法と対象」で整理する
福祉・障害・難病の分野は、制度の名称が似ており、根拠法と対象が、入れ替えられた選択肢が、頻出です。次の3つの観点で、表に整理しておくと、迷いにくくなります。
- 根拠となる法律はどれか
- 対象はだれか(年齢・疾患・障害)
- 申請・実施の窓口は、どこか(市町村か、都道府県か)
難病対策
難病法と指定難病
難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)に基づく、指定難病は、患者数が少なく、原因不明で、治療法が確立しておらず、長期の療養が必要で、客観的な診断基準が確立している疾病です。指定難病は、300疾病を超えています。
- 医療費助成の自己負担は、原則2割(所得に応じた月額の上限額あり)。3割ではありません
- 新規に助成を受けるには、難病指定医の診断書(臨床調査個人票)を添えて、都道府県・指定都市に申請します
- 受診するのは、都道府県知事が指定した指定医療機関です(国が指定するのではありません)
- 重症度が、一定以上の人(または、軽症でも医療費が高額な人)が対象です。パーキンソン病では、Hoehn-Yahrの重症度分類で3度以上かつ、生活機能障害度が2度以上が対象です
- 医療費助成の対象には、指定医療機関による訪問看護の費用も含まれます
難病患者の支援
- 難病相談支援センター(都道府県・指定都市):療養・就労などの、生活全般の相談、患者・家族の交流の支援
- 難病対策地域協議会(都道府県・保健所設置市・特別区):医療・福祉・介護・就労などの関係者による、連携体制の構築。個別の医療費助成の認定は、行いません
- 保健所:医療費助成の申請の窓口、在宅療養の支援、訪問
小児慢性特定疾病との違い
小児慢性特定疾病の医療費助成は、児童福祉法に基づき、18歳未満(引き続き治療が必要な場合は20歳未満)の子どもが対象です。成人の指定難病(難病法)とは、根拠法が異なります。
障害者総合支援法のサービス
障害福祉サービスは、障害者総合支援法に基づき、市町村に申請します。
| 区分 | サービス | 障害支援区分 |
|---|---|---|
| 介護給付 | 居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護・療養介護・生活介護・短期入所・重度障害者等包括支援・施設入所支援 | 必要(区分1〜6) |
| 訓練等給付 | 自立訓練・就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)・就労定着支援・自立生活援助・共同生活援助 | 必須ではない |
就労支援は、段階で整理します。就労移行支援(一般企業への就職を目指す訓練)、就労継続支援A型(雇用契約を結んで働く)、就労継続支援B型(雇用契約を結ばず、自分のペースで働く)、就労定着支援(就職した人の定着の支援・平成30年新設)。長い療養歴があり、体力や生活リズムが、安定していない人には、B型からの導入が、適しています。
外出の支援は、視覚障害のある人は同行援護、行動に困難のある知的・精神障害の人は行動援護、移動が困難な人には、市町村が行う地域生活支援事業の移動支援です。
障害者手帳と、自立支援医療
| 手帳 | 根拠 | 特徴 |
|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 身体障害者福祉法 | 身体の障害のある人 |
| 療育手帳 | 厚生事務次官通知に基づく運用 | 知的障害のある人 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神保健福祉法 | 1〜3級、有効期間2年、申請は市町村 |
自立支援医療は、障害者総合支援法に基づく医療費の助成で、精神通院医療・更生医療(18歳以上の身体障害者)・育成医療(18歳未満)があり、自己負担は、原則1割です。精神障害者保健福祉手帳を持つ人は、精神通院医療の申請の手続きが簡素化されます。
障害のある人と子どもに関する、そのほかの制度
- 障害者差別解消法:合理的配慮の提供。民間の事業者にも、令和6年4月から、義務化されました
- 障害者虐待防止法:虐待を発見した人の、市町村への通報
- 発達障害者支援法:発達障害者支援センターの設置
- 医療的ケア児支援法(令和3年施行):家族の離職の防止なども、目的
- 児童発達支援・放課後等デイサービス:児童福祉法に基づく障害児通所支援
- 特別支援教育:通級による指導は、特定の領域の困難が、中心の児童(算数のみの学習障害など)に適している
生活困窮・地域の福祉
- 生活保護:憲法25条の生存権の保障。基本原理は、国家責任・無差別平等・最低生活・補足性。扶助の種類のうち、介護扶助は、原則、現物給付。税を財源とする、公的扶助で、社会保険ではありません
- 生活困窮者自立支援制度:生活保護の前の、第2のセーフティネット。自立相談支援・住居確保給付金(家賃相当額)など。進学準備給付金は、生活保護の制度の給付
- 民生委員・児童委員:厚生労働大臣が委嘱、任期3年、無給、市町村の区域に配置。守秘義務がある
- 成年後見制度と日常生活自立支援事業:判断能力が不十分な人の、権利を守る仕組み
事例問題の考え方
- 医療費助成の重症度の基準を満たさなくても、身体障害者手帳や、介護保険など、他の制度で、必要な支援につなげる
- 就労の継続を希望する難病患者には、難病相談支援センターが、就労を含む生活全般の相談に応じる
- 所持金が尽きかけているなど、生活の基盤が危うい人には、まず、生活保護の申請の意思を確認する
- 家族の介護負担が大きい場合は、介護支援専門員に、負担を伝えるよう助言する
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よくある質問
難病法の医療費助成で、患者の自己負担割合は何割ですか?
原則2割です(所得に応じた月額の上限額があります)。3割ではありません。新規に助成を受けるには、難病指定医の診断書を添えて都道府県・指定都市に申請し、都道府県知事が指定した指定医療機関で受診します。
精神障害者保健福祉手帳の有効期間と申請窓口は?
有効期間は2年で、更新には診断書などによる再認定が必要です。申請は市町村の窓口で行い、障害の程度に応じて1級から3級に区分されます。