保健師国試の産業保健対策|管理体制の人数・健診の頻度・ストレスチェックの数字を整理
保健師国家試験の産業保健を、規模別の安全衛生管理体制(10人・50人)、巡視の頻度(週1回・月1回)、健診の頻度と保存期間、ストレスチェック、長時間労働の面接指導、治療と仕事の両立支援、労働衛生の3管理、労災保険・母性保護まで、数字と役割の表で整理します。
このページでわかること
- 事業場の規模ごとの安全衛生管理体制と、数字(50人・10人・週1回・月1回)
- 健康診断・ストレスチェック・面接指導・両立支援など、産業保健の制度
- 労働衛生の3管理と、有害業務の対策の考え方
産業保健は、数字と役割の区別が得点源
産業保健は、毎回、数問出題され、「労働安全衛生法」に基づく、管理体制・健診・ストレスチェックが、中心です。数字を入れ替えた選択肢が、頻出するため、**規模(人数)と、頻度(週・月・年)**を、表で整理します。
規模別の安全衛生管理体制
| 事業場の規模 | 選任・設置するもの |
|---|---|
| 常時10人以上50人未満 | 安全衛生推進者(製造業など)/衛生推進者(その他の業種) |
| 常時50人以上 | 衛生管理者の選任、産業医の選任、衛生委員会の設置 |
| 常時1,000人を超える | 衛生管理者は専任(一定の有害業務では、500人を超える場合) |
| 一定の規模以上 | 総括安全衛生管理者(業種により、100人・300人・1,000人以上) |
35人の製造業の事業場なら、選任義務があるのは、安全衛生推進者です。産業医・衛生管理者の選任義務は、50人以上です。
巡視の頻度
- 衛生管理者:少なくとも毎週1回、作業場などを巡視する
- 産業医:少なくとも毎月1回(一定の要件を満たす場合は、2か月に1回)
資格と役割
- 衛生管理者は、第一種(すべての業種)・第二種(有害業務の少ない業種)の免許があり、保健師は、免許試験を受けずに、第一種衛生管理者の免許を取得できます。
- 衛生管理者は、事業者から、衛生に関する措置を行う権限を与えられています。
- 衛生委員会は、労働者の健康障害の防止、健康の保持増進などを、調査審議する場で、事業者が、委員会の意見を踏まえて、対策を実施します。
健康診断の数字
| 健診 | 頻度・数字 |
|---|---|
| 雇入れ時の健康診断 | 雇い入れるとき |
| 定期健康診断 | 1年以内ごとに1回 |
| 特定業務従事者の健診 | 6か月以内ごとに1回 |
| 特殊健康診断(有機溶剤・鉛・石綿など) | 原則、6か月以内ごとに1回 |
| 健診結果の保存 | 原則5年間 |
| 健診結果の報告(労働基準監督署長へ) | 常時50人以上の事業者 |
定期健康診断の結果、異常の所見があった場合は、医師の意見を聴いたうえで、必要に応じて、就業上の措置(配置転換・労働時間の短縮など)を行います。健診の基本項目に、検便は含まれません(検便は、食品を扱う業務などの特殊な健診で用います)。
ストレスチェック制度
ストレスチェック制度は、常時50人以上の労働者を使用する事業場で、事業者に、年1回の実施が義務づけられています。
- 結果は、実施者から本人に直接通知され、本人の同意なく、事業者(上司)に提供されません
- 高ストレスと判定された人は、申出により、医師の面接指導を受けられます
- 面接指導の申出を理由に、不利益な取扱いをしてはいけません
- 部署ごとの集団分析の実施と、職場環境の改善への活用は、努力義務で、個人が特定されない形で、行います
集団分析で、同僚の支援が少ないなどの課題が分かったら、保健師は、まず、職場の管理者から状況を聞き取り、背景を把握します。個人の要望を、高ストレス者から募るのは、プライバシーの面で適切ではありません。管理者の、メンタルヘルスの知識を高める研修(ラインによるケア)が、根本的な対策になります。
長時間労働者への面接指導
長時間労働者への面接指導は、時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労の蓄積がある労働者の、申出により、医師が行います。時間外労働の上限は、原則、月45時間・年360時間です。
治療と仕事の両立支援
治療と仕事の両立支援では、本人の希望を尊重し、主治医の意見と、**職場の状況(仕事の内容)**を、組み合わせて、就業上の配慮を決めます。化学療法を受けながら働きたい労働者の相談では、まず、担当している仕事の内容を、確認します。小規模事業場(50人未満)は、産業保健総合支援センターの地域窓口(無料)を、活用できます。
労働衛生の3管理と、有害業務
労働衛生の3管理は、作業環境管理(環境を変える:密閉化・湿式化・局所排気)、作業管理(働き方を変える:保護具・作業時間・姿勢)、健康管理(健診で、影響を早期に発見)です。対策は、作業環境管理が、最優先で、保護具は、補う手段です。
有害業務の主な数字は、次のとおりです。
- 石綿の作業記録:40年間保存
- 電離放射線の特殊健診の記録:30年間保存
- 特殊健診:原則、6か月以内ごとに1回
- 粉じん:発生源の密閉化・湿式化を優先し、防じんマスクで補う
労災保険と、母性保護
労働者災害補償保険は、保険料を、全額事業主が負担し、請求先は労働基準監督署です。休業補償給付は、休業4日目から支給され、最初の3日間は、事業主が、労働基準法に基づく休業補償を行います。
母性保護は、労働基準法(産前6週間(多胎は14週間)・産後8週間・時間外労働の制限・育児時間)と、男女雇用機会均等法(健診時間の確保・母性健康管理措置)に分かれます。
情報機器作業と、職場の受動喫煙
情報機器作業(パソコンなどの作業)は、「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に基づき、一連続作業時間や、作業環境測定の結果(照度など)、作業姿勢を、確認します。職場巡視で、ガイドラインが守られていないことが分かったら、保健師は、まず、衛生委員会に報告し、組織として対応します。受動喫煙対策は、改正健康増進法に基づき、学校・病院などは敷地内禁煙、事務所・飲食店などは原則屋内禁煙です。
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よくある質問
常時35人の製造業の事業場で、選任が義務づけられているのは何ですか?
安全衛生推進者です。常時10人以上50人未満の事業場(製造業など)に選任が義務づけられています。産業医と衛生管理者の選任義務は、常時50人以上の事業場です。
ストレスチェックの結果は、会社(上司)に伝えてよいですか?
本人の同意がなければ、事業者(上司を含む)に、個人の結果は提供できません。結果は、実施者から本人に直接通知されます。部署ごとの集団分析は、個人が特定されない形で、職場環境の改善に活用します。