保健師国試の学校保健対策|職種の役割分担・定期健診の数字・養護教諭の事例問題
保健師国家試験の学校保健を整理。校長・保健主事・養護教諭・学校医・学校薬剤師・設置者の役割分担、定期健康診断の期限と通知の日数、環境衛生検査、頻回来室・いじめ・虐待・起立性調節障害・医療的ケア児の事例問題の考え方を、過去問をもとに解説します。
このページでわかること
- 学校保健を支える職種(校長・保健主事・養護教諭・学校医・学校薬剤師)の役割分担
- 定期健康診断・環境衛生検査・感染症の出席停止などの、数字と決まりごと
- 養護教諭の事例問題(頻回来室・虐待・いじめ・起立性調節障害)の考え方
学校保健は、毎回、出題される分野
学校保健は、毎回、6〜9問程度、出題されます。中心になる法律は学校保健安全法で、学校保健(健康診断・環境衛生・保健教育・感染症対策)と、学校安全(施設の安全・安全指導)を、定めています。
職種と役割の整理(最頻出)
学校保健では、「どの職種が、何を担うか」を、入れ替えた選択肢が、繰り返し出題されます。
| 職種・組織 | 主な役割 |
|---|---|
| 校長 | 学校保健の責任者。出席停止を命じる |
| 学校の設置者 | 臨時休業の決定、学校医などの委嘱、教職員の健康診断の実施 |
| 保健主事 | 学校保健の企画・調整の中心。学校保健計画の立案、学校保健委員会の運営 |
| 養護教諭 | 保健室の経営、健康相談・保健指導、救急処置 |
| 学校医・学校歯科医・学校薬剤師 | 学校医・歯科医は健康診断・健康相談、学校薬剤師は環境衛生検査 |
| 栄養教諭 | 食に関する指導、学校給食の管理(献立・栄養管理) |
| 学校保健委員会 | 学校・家庭・地域の関係者が、健康課題を協議する場 |
よく出る誤りの型は、次のとおりです。
- 臨時休業の決定は、校長ではなく、学校の設置者
- 環境衛生検査は、学校医ではなく、学校薬剤師
- 学校医の任命は、保健主事ではなく、学校の設置者
- 学校保健計画の立案は、養護教諭だけではなく、保健主事を中心に、全教職員で
定期健康診断の数字
学校の定期健康診断は、次のように決まっています。
- 実施の時期:毎学年6月30日まで
- 結果の通知:21日以内に、本人・保護者へ
- 実施の責任:学校の設置者(学校)
- 事後措置:疾病の予防措置・治療の指示・運動や作業の軽減など
- 座高の検査は、必須の項目から削除されている
- 聴力は、小学校4・6年、中学校2年、高校2年などで、前年度の結果を踏まえて、省略できる
- 色覚検査は、必須ではなく、希望者に実施(保護者の意向を確認する)
- 就学時健康診断は、市町村の教育委員会が実施
環境衛生と感染症
学校環境衛生基準に基づく検査は、学校薬剤師が中心です。感染症や食中毒のおそれがあるときなどには、臨時検査を行います。
学校感染症の出席停止の期間は、インフルエンザ(発症後5日かつ解熱後2日)、麻しん(解熱後3日)、風しん(発疹の消失)など、数字で問われます。感染症の詳細は、保健師国試の感染症対策|感染症法の類型・結核の接触者健診・学校の出席停止を確認してください。
養護教諭の事例問題
頻回に保健室に来る生徒
「お腹が痛い」「頭が痛い」と繰り返し来室する生徒には、まず身体症状の問診を行い、身体疾患を見落とさないようにします。そのうえで、心理社会的な背景(いじめ・家庭・学業)を把握し、担任などと連携します。
いじめを打ち明けられたとき
つらい気持ちを受け止めた後、担任などに伝えてよいか、本人に確認します。加害者の特定や、画像の確認を、すぐに行うのは、本人の気持ちへの配慮に欠けます。「いじめ防止対策推進法」では、学校は、組織で対応します。
虐待が疑われるとき
けがの場所・大きさ・新旧を、他の部位も含めて確認し、本人の同意を得て、写真などで記録します。「誰にも言わないでほしい」と言われても、子どもの安全が、優先されます。管理職に報告し、校内委員会で共有し、児童相談所に通告します。通告後に、保護者が威圧的に情報を求めてきたら、学校が単独で対応せず、児童相談所と情報を共有します。
起立性調節障害
朝に、症状が強く、遅刻・欠席が続くとき、怠けではなく、自律神経の調節の不調による疾患であることを、教職員全体で理解します。配慮は、1限目を欠席して2限目から出席する、保健室で休養するなど、学校に通い続けるための工夫です。
医療的ケアが必要な児童生徒の復学
人工呼吸器などを使う児童生徒の復学では、教職員が状態と配慮を共有し、教育委員会が、看護師の配置や、指導医の委嘱を行うなど、体制を整えます。養護教諭は、学校内の調整役を担います。
特別支援教育
特別支援教育の場は、特別支援学校(重度の障害)、特別支援学級(小・中学校内の少人数の学級)、通級による指導(通常の学級に在籍し、週に数時間、別の場で指導)、通常の学級での配慮です。算数だけの学習障害のように、特定の領域に困難が限られる場合は、通級による指導が適しています。
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よくある質問
学校の臨時休業と出席停止は、それぞれ誰が決めますか?
出席停止は校長が命じ、臨時休業(学級閉鎖・学年閉鎖・休校)は学校の設置者が決めます。校長と設置者の役割を取り違えた選択肢が、国試でよく出題されます。
学校の定期健康診断は、いつまでに実施し、結果は何日以内に通知しますか?
毎学年6月30日までに実施し、結果は21日以内に本人と保護者に通知します。通知のあと、疾病の予防措置・治療の指示・運動や作業の軽減などの事後措置を行います。