保健師国試の状況設定問題の解き方|「最初に」「優先度」の考え方と誤答の型
保健師国家試験の状況設定問題で得点を安定させる、判断の型を解説。「最初に行う対応」は傾聴・アセスメント、「優先度」は生命・安全から、住民主体は保健師が決めない、など過去問の解説から整理した6つの型と、誤答の選択肢によくあるパターンを紹介します。
このページでわかること
- 状況設定問題(「次の文を読み、〜の問いに答えよ」)で、得点を安定させる考え方
- 「最初に」「優先度が高い」「最も適切」を、どう読み分けるか
- 誤答の選択肢によくある型と、見分けるコツ
状況設定問題とは
保健師国家試験では、事例(Aさんの状況・地区の特徴・事業の経過など)が示され、「保健師の対応で適切なのはどれか」を、選ぶ問題が、約2割を占めます。知識を覚えていても、選択肢が、どれも、もっともらしく見えるため、考え方の型がないと、迷います。
この記事では、HokenPassの過去問(第107〜112回)の解説を読み込んで見えてきた、判断の型を、整理します。
型1:「最初に行う対応」は、傾聴・アセスメントから
「最初の対応」「最初に確認する情報」を問われたら、具体的な解決策を示す選択肢より、相手の話を聞く・状況を把握する選択肢が、正答になることが多くあります。
| 場面 | 正答になりやすい対応 | 誤答になりやすい対応 |
|---|---|---|
| 育児に自信がないと話す母親 | 母親が考える育児について話を聞く | 離乳食教室の紹介・レシピの配布 |
| 涙を流して負担を訴える母親 | 別室で、ゆっくり話を聞く | 励まし・役割分担の指示 |
| 電話相談だけでは状況が分からない | 家庭訪問で、生活の様子を直接把握する | 他機関への依頼・活動の紹介 |
| 予防接種を受けさせたくないという保護者 | 受けさせたくない理由を聞く | パンフレットを渡す・必要性を説明する |
解決策(教室・サービス・説明)は、状況を把握した後の段階です。順序を問う問題では、「聞く→把握する→つなぐ」の順に並べると、判断しやすくなります。
型2:「優先度が高い」は、生命・安全 → 緊急性 → 支援につながっていない人
家庭訪問の対象や、確認すべき情報の優先度を問われたときは、次の順で考えます。
- 生命・安全に関わるか(虐待の疑い・重症高血圧の未治療・自殺の危険・停電時の人工呼吸器使用者)
- 緊急性が高いか(すぐに対応しないと、悪化する)
- すでに支援や医療の管理下にあるか(医師・訪問看護・介護サービスが入っていれば優先度は下がる)
例えば、「主治医が管理している切迫早産の妊婦」「訪問看護を開始した難病患者」より、「虐待の可能性がある1歳6か月児」のほうが、優先度が高くなります。災害の発生直後に、保健師が、少人数でも行うべきことは、医療機器を使う難病患者の安否確認のような、生命に直結する対応です。
型3:「住民主体」の場面は、保健師が決めない・作らない
住民組織・自主グループ・通いの場の支援では、住民が自分たちで決める過程を支えることが、原則です。
- ✅ 話し合いの場をつくる・目標を話し合うよう促す・活動に参加させてもらい状況を理解する
- ❌ リーダーを指名する・年間計画を作成する・保健師が運営を担当する
特に、グループの立ち上げの初期は、保健師が前に出ず、メンバーが、自分たちで目的や目標を決められるよう、後方から支えます。「エンパワメント」や、「住民主体」というキーワードが出たら、保健師が主導する選択肢は、誤りになりやすいと考えます。
型4:「個人情報・守秘義務」が絡むと、本人の同意と、必要最小限
民生委員・近隣住民・学校・職場から、相談を受ける場面では、次のように考えます。
- 通報者・相談者の情報を、本人に伝えない(虐待の通報者など)
- 本人の病名・受診や服薬の状況を、本人の同意なく、第三者に伝えない
- ストレスチェックの個人結果は、本人の同意なく、上司に開示しない
- ただし、生命・身体に重大な危険がある場合(高齢者虐待・児童虐待)は、本人の同意がなくても、通報・情報共有が、優先される
「守秘義務」と「通報義務」が、衝突する場面では、子どもや、高齢者の安全が、優先される点を、押さえておきます。
型5:対象を絞るか、広げるかで、アプローチを選ぶ
事業の企画の問題では、対象と目的を、確認します。
| アプローチ | 対象 | 例 |
|---|---|---|
| ハイリスクアプローチ | リスクが高い人に絞る | 特定保健指導の利用勧奨、治療を中断した人への受診勧奨 |
| ポピュレーションアプローチ | 集団全体 | 広報誌での食生活の啓発、環境づくり、ナッジ |
「すでに把握できている未受診者」には、個別の通知・電話・訪問のような、個別・直接の働きかけが有効で、広報・ホームページは、受け身の情報提供です。ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチの違いを、事例で、判断できるようにしておきます。
型6:時期・役割・権限を確認する
状況設定問題の中には、知識の問題が、混ざっています。次の観点で、選択肢を、絞り込みます。
- 時期:災害の発生直後(安否確認・要配慮者)、避難所の時期(感染症・エコノミークラス症候群)、仮設住宅の時期(孤立・生活再建)。時期が違えば、同じ対策でも、優先度が変わります。
- 役割:市町村(住民に身近な事業)、保健所(広域的・専門的・感染症・精神)、都道府県(児童相談所・医療計画)、学校(校長・保健主事・養護教諭・学校医・学校薬剤師)。
- 権限:保健師が行える範囲か(診断・処方・服薬の指示は、医師の業務)。
誤答の選択肢によくある型
| 型 | 特徴 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 解決策の先走り | 状況を聞く前に、サービスや、教室を勧める | 「最初に」「まず」の条件を確認する |
| 保健師が決める・代行する | 計画・リーダー・運営を、保健師が担う | 住民主体の場面かを確認する |
| 本人の同意がない | 第三者への情報提供・家族への連絡 | 同意と守秘を確認する |
| 対象が広すぎる・狭すぎる | 課題と対象が合わない | 課題の中心と、選択肢の対象を、照らし合わせる |
| 時期が合わない | 災害後の時期と、対策が、合っていない | 時期ごとの課題を、思い出す |
| もっともらしいが、課題に直接応えていない | 一般的に良いことだが、事例の課題と関係が薄い | 事例の課題と、選択肢の目的を、対応させる |
練習のしかた
- 問題文を読み、誰が・何に困っていて・どの時期かに、印を付ける
- 設問の条件(最初に・優先・最も適切・2つ選べ)を、確認する
- 選択肢を、上の型に当てはめて、消去する
- 解答のあと、誤答の選択肢が、なぜ誤りかを、解説で確認する
HokenPassの解説は、選択肢ごとに、理由を示しています。正答だけでなく、誤答の理由まで読むと、型が身につきます。
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よくある質問
状況設定問題で「最初に行う対応」を聞かれたら、どう考えればよいですか?
解決策を示す選択肢より、相手の話を聞く、状況を把握する選択肢が正答になることが多くあります。「聞く→把握する→つなぐ」の順で考え、教室やサービスの紹介は、状況を把握した後の段階と整理します。
「優先度が高い」を問われたときの基準は何ですか?
まず生命・安全に関わるか(虐待の疑い・重症高血圧の未治療・自殺の危険など)、次に緊急性、そして、すでに医療や支援の管理下にあるかを確認します。すでに支援が入っている人より、支援につながっていない人を優先するのが目安です。