アルコール依存症とイネイブリング
飲酒のコントロールができなくなる病気。家族が本人の飲酒による問題を肩代わりする「イネイブリング」は、かえって飲酒を維持させる。
アルコール依存症は、飲酒を自分の意思でコントロールできなくなる、精神疾患(物質使用障害)です。意志の弱さではなく、病気として理解し、治療の原則は、飲酒の量を減らすことではなく、断酒です。離脱症状(手の震え・発汗・不安・幻覚など)は、飲酒を止めて数時間から数日の間に出現することがあります。
家族が、本人の飲酒による問題(お金のトラブル・近隣への謝罪・欠勤の連絡・お酒の購入)を肩代わりすることを、イネイブリング(イネイブラー:そのような行動をとる人)と呼びます。本人が、飲酒の結果に直面する機会が失われ、結果として、飲酒が続いてしまいます。家族には、責めずに、苦労をねぎらいながら、飲酒に関する困りごとを代わりに解決しないよう助言します。
支援は、専門医療機関への接続、断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)などの自助グループへの参加、家族会や相談機関の紹介などです。再び飲酒すること(スリップ)は、起こりやすく、責めずに、飲酒していないときに面接するなど、関係を保ちます。国試では、イネイブリングへの助言と、孤立を防ぐ自助グループの紹介が、頻出です。