第107回 保健師国家試験 午前問50(精神保健)過去問と解説

次の文を読み50、51の問いに答えよ。 Aさん(52歳、女性)。1人暮らし。5年前に仕事を解雇されて以降、自宅に引きこもっている。母親は2年前に他界し、その頃より「外出するとストーカーに追われる」「赤外線で狙われて怖い」と他県に住む姉に訴えるようになった。姉が受診を勧めたが「私は病気じゃない」と言う。 Aさんは、3日前に隣人宅に来た郵便配達員を見て「お前がストーカーだな」と隣人宅に怒鳴り込み、警察に通報された。 警察から連絡を受けた姉が保健所へ相談に来た。翌日、姉と保健師でAさん宅を訪問すると、Aさんは「買い物や仕事を探しに行きたいが、ストーカーのせいで外出できない」「ストレスで眠れない」と話した。 Aさんへの保健師の声かけで、最も適切なのはどれか。

  1. 「ストーカーは存在しないので安心してください」
  2. 「眠れないことについて医師に相談しましょう」
  3. 「解雇された理由を振り返りましょう」
  4. 「一緒にハローワークへ行きましょう」
  5. 「お姉さんと一緒に暮らしましょう」

解説

被害妄想が疑われる状態で、本人自身は病識がなく受診を拒否しています。妄想内容を否定することは信頼関係を損ないやすいため避け、本人が困りごととして自覚している「眠れない」という訴えに焦点を当て、受診(医療)へつなげる声かけが有効です。不眠を糸口とした受診勧奨は精神科未受診者へのアプローチの基本的な技法です。就労支援や同居提案は医療的介入より優先度が低い段階です。

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