第108回 保健師国家試験 午前問19(健康支援と社会保障制度)過去問と解説
A小学校の2年生の児童80人と引率の教員が市内の公園に遠足に行き、昼食に学校から配布されたおにぎりを食べた。午後2時ころに帰校すると、2年生の児童と引率した教諭に嘔吐、下痢および腹痛の症状が現れ、半数以上の児童が医療機関を受診した。他学年の児童に症状がある者はなかった。保健所にA小学校から緊急連絡があり、疫学調査の結果、集団食中毒であることが判明した。 原因菌として最も疑われるのはどれか。
- ウェルシュ菌
- ボツリヌス菌
- 黄色ブドウ球菌
- カンピロバクター
解説
昼食から喫食後短時間(当日午後)で嘔吐、下痢、腹痛が集団発生していることから、潜伏期間が数時間と短いことが特徴の黄色ブドウ球菌による食中毒が最も疑われます。黄色ブドウ球菌はおにぎりなど手で握る調理を介して増殖しやすく、産生される毒素(エンテロトキシン)は耐熱性があり加熱調理後も食中毒を起こします。ウェルシュ菌やカンピロバクターは潜伏期間が長く、ボツリヌス菌による症状は神経症状が主体である点で本事例とは異なります。